しんさんのブログ

科学や技術のこと読書のことなど

本棚

「生成AIで世界はこう変わる」 今井翔太著を読みました

生成AIで世界はこう変わる (SB新書)作者:今井 翔太SBクリエイティブAmazon 東大松尾研究室の今井さんの一般向け生成AI解説本です。 本書の最後には松尾先生と今井さんの特別対談も収められています。 生成AIの現状と未来について知りたい人におすすめ 生成AI…

「ChatGPTの頭の中」スティーブ・ウルフラム著 を読みました

ChatGPTの頭の中 (ハヤカワ新書)作者:スティーヴン ウルフラム早川書房Amazon お正月1冊目の読書はウルフラムが書いたChatGPTに関する本です。 ウルフラムと言えばあのMathematicaを開発したことで名が知られています。 また、言語学の研究もしており言語モ…

数学マンガ、「数学であそぼ」1巻読みました

数字であそぼ。(1) (フラワーコミックスα)作者:絹田村子小学館Amazon前から気になってた数学マンガの「数学であそぼ」を年末休みで読みました。 大学の理学部に入った主人公が、いきなり大学の数学で躓くという理学部生あるあるのストーリです。 関西出身…

「脳の大統一理論 自由エネルギー原理とはなにか」 乾 敏郎、阪口 豊/著  岩波科学ライブラリー を読みました

脳の大統一理論 自由エネルギー原理とはなにか (岩波科学ライブラリー)作者:乾 敏郎,阪口 豊岩波書店Amazon 勤労感謝の日の休日読書です。 結構むつかしめの本ですが頑張って読むと得るものはあります。 壮大なタイトル 大統一理論と言えば理論物理では重力…

「生成AI」 ChatGPTを支える技術はどのようにビジネスを変え、人間の創造性を揺るがすのか? 小林雅一/著  を読みました

生成AI――「ChatGPT」を支える技術はどのようにビジネスを変え、人間の創造性を揺るがすのか?作者:小林 雅一ダイヤモンド社Amazon 三連休に読んでみました。 一般の人向けの生成AIの解説書 生成AIについてエンジニアや研究者向けの記事や文章は普段からよ…

「半導体戦争 世界最重要テクノロジーをめぐる国家間の攻防」 クリス・ミラー/著  を読みました

半導体戦争 世界最重要テクノロジーをめぐる国家間の攻防作者:クリス・ミラーダイヤモンド社Amazon 週末の読書として前から気になっていた本書をようやく手にしました。 トランジスターの発明から、抵抗やキャパシターとともにそれらを回路パターンにしてシ…

「大規模言語モデルは新たな知能か ChatGPTが変えた世界」 岡野原大輔 著 を読みました

大規模言語モデルは新たな知能か ChatGPTが変えた世界 (岩波科学ライブラリー)作者:岡野原 大輔岩波書店Amazon 岡野原さんの大規模言語モデルに関する一般の人向けの解説書です。 ChatGPTが登場してからまだそれほど年月が経っていませんがそのインパ…

「脳・心・人工知能 数理で脳を解き明かす」 甘利俊一著を読みました

脳・心・人工知能 数理で脳を解き明かす (ブルーバックス)作者:甘利 俊一講談社Amazon 80代になっても精力的に研究を行い論文を発表されている甘利先生は本当に尊敬に値する素晴らしい研究者 著者の甘利先生は現在のニューラルネットワークの基礎となる理…

日経サイエンス 2023年8月号を読みました

日経サイエンス2023年8月号 [雑誌]日経サイエンスAmazon 以下の二つの特集が面白そうなので読んでみました。 特集:数学する脳とAI 特集2:核融合の現在地 AIが知能を持つことが出来るかということに興味があります。 人間の脳も物質であり、物質からできて…

「深層学習の原理に迫る 数学の挑戦」 今泉允聡/著 を読みました

深層学習の原理に迫る 数学の挑戦 (岩波科学ライブラリー)作者:今泉 允聡岩波書店Amazon 深層学習の大きな謎3つ ChatGPT、生成AIが大きな話題となっているますが、そこで使われている深層学習にはまだいくつも謎が残されています。 つまりうまく動作する原理…

「多様性の科学 画一的で凋落する組織、複数の視点で問題を解決する組織」 マシュー・サイド/著 を読みました

多様性の科学作者:マシュー・サイドディスカヴァー・トゥエンティワンAmazon 多様性がなぜ必要か 職場に限らずあらゆる組織で多様性の重要性が声高に言われていますがそこには科学的に合理的な理由があると言うことを人為的理由による航空機事故や登山隊の事…

「半導体産業のすべて 世界の先端企業から日本メーカーの展望まで」 菊地 正典/著 を読みました

半導体産業のすべて 世界の先端企業から日本メーカーの展望まで作者:菊地 正典ダイヤモンド社Amazon昨日までの3連休の読書として以前からタイトルが気になっていた本を読みました。最近はニュースでも半導体という言葉を聞かない日はないです。 半導体が戦略…

「LISTEN」 ケイト・マーフィ/著 を読みました

LISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる作者:ケイト・マーフィ日経BPAmazon雨の日はちょっと厚めの本を持ってコーヒーを飲みながら一日中読書って言うのをやってみました。 人から話を聞くと言うことはそれなりに技術や訓練が必要で容易なことではないで…

「数学ガール」結城浩著 を読みました

数学ガール作者:結城 浩SBクリエイティブAmazon数学ガールシリーズはたくさん出ていますが、これはおそらく初代の数学ガールだと思います。 内容はおそらく高校生でもゆっくり式を追っていけば理解できる程度のレベル感です。 それにしても一般向け数学書で…

「脳は世界をどう見ているのか 知能の謎を解く「1000の脳」理論」 ジェフ・ホーキンス著を読みました

脳は世界をどう見ているのか 知能の謎を解く「1000の脳」理論作者:ジェフ ホーキンス早川書房Amazon 控えめなタイトルからは想像できないほど深い内容です。 機械学習やAIに何らかのかかわりがある人全員に一読することをお勧めします。 原書は2021年に出版…

「はじめて学ぶビデオゲームの心理学 脳のはたらきとユーザー体験(UX)」 セリア・ホデント著を読みました

はじめて学ぶ ビデオゲームの心理学 脳のはたらきとユーザー体験(UX)作者:セリア ホデント福村出版Amazon著者はゲーム業界で働く心理学者でフォートナイトのUXにも関わったそうです。 ゲームが果たして人にいい影響を与えるのか悪い影響を与えるのか? あ…

「クララとお日さま」 カズオ イシグロ/著 を読みました

ノーベル文学賞を受賞したカズオ イシグロがAIに関する長編小説を書いたと聞き、ずっと読みたいと思っていましたが時間が取れたのでようやく読了しました。 長編なので少しずつ寝る前に読み進めていくうちに、途中からこれはとんでもなく深い小説だと気づき…

「スパコン富岳の挑戦 GAFAなき日本の戦い方」松岡 聡/著 を読みました

スパコン富岳の挑戦 GAFAなき日本の戦い方 (文春新書 1366)作者:松岡 聡文藝春秋Amazon普段、コンピュータやそのアプリに携わる者としてスパコンの開発背景には非常に興味があり本書を手に取りました。 高い性能と使いやすく応用範囲の広いまさに富士山のよ…

「22世紀の民主主義」 成田悠輔 著 を読みました

22世紀の民主主義 選挙はアルゴリズムになり、政治家はネコになる (SB新書)作者:成田 悠輔SBクリエイティブAmazon新年1冊目の読書は先日の資本主義の危機に関する書籍 (「人新世の「資本論」」 斎藤 幸平 (著)を読みました - しんさんのブログ) に続き、今度…

「人間の建設」 小林秀雄、岡潔 著 を読みました

人間の建設(新潮文庫)作者:岡潔,小林秀雄新潮社Amazon独立数学者として数々の逸話のある岡潔と批評家で文学者の小林秀雄との対談。 ずっと前から読みたいと思っていたのですが、年末年始のお休みに手に取りました。 2人の知の巨人の対談に圧倒され、使われ…

「人新世の「資本論」」 斎藤 幸平 (著)を読みました

人新世の「資本論」 (集英社新書)作者:斎藤幸平集英社Amazon 本書を読み始めたきっかけ この本は、とある日本の大企業の取締役の方が今読んでいる本として紹介していて興味を持ちました。 読み始めの感想は、これは資本主義を真っ向から否定するやばい本では…

「脳と人工知能をつないだら、人間の能力はどこまで拡張できるのか 脳AI融合の最前線」 紺野大地, 池谷裕二/著 を読みました。

脳と人工知能をつないだら、人間の能力はどこまで拡張できるのか 脳AI融合の最前線作者:紺野大地,池谷裕二講談社Amazon お盆休み読書第2弾です。 脳と人工知能 人工知能の最近の急速な進歩には目を見張るものがあります。 特に深層学習は脳の神経細胞の動…

「イノベーションはなぜ途絶えたか  -科学立国日本の危機」山口栄一/著 を読みました。

イノベーションはなぜ途絶えたか: 科学立国日本の危機 (ちくま新書1222)作者:山口 栄一筑摩書房Amazonお盆休みの読書です。本書は前半部分のイノベーションの話と後半の科学リテラシーやトランスサイエンスの話に分かれます。 しかし、それらは別々のテーマ…

「Moonshot ファイザー不可能を可能にする9か月間の闘いの内幕」アルバート・ブーラ/著 を読みました。

Moonshot ファイザー 不可能を可能にする9か月間の闘いの内幕作者:アルバート・ブーラ光文社AmazonCovid19は今日現在も日本で猛威を振るっています。 ただ、2年前と違い死につながる怖い病気という意識は薄れていると思います。 その大きな理由の一つにワク…

「ディープラーニングを支える技術2 ニューラルネットワーク最大の謎」 岡野原 大輔 著 を読みました。

ディープラーニングを支える技術〈2〉 ——ニューラルネットワーク最大の謎 Tech × Books plus作者:岡野原 大輔技術評論社Amazon 以前「ディープラーニングを支える技術 「正解」を導くメカニズム」の書評を書きましたが、今回はその続編である「ディープラー…

「ディープラーニングを支える技術 「正解」を導くメカニズム」 岡野原 大輔 著 を読みました。

ディープラーニングを支える技術 ——「正解」を導くメカニズム[技術基礎] (Tech × Books plus)作者:岡野原 大輔技術評論社Amazon 機械学習、特にディープラーニングの分野はとても変化が早く、もてはやされていた技術でもすぐに使われなくなったり、逆に論文…

「数学に魅せられて、科学を見失う」ザビーネ・ホッセンフェルダー (著), 吉田 三知世 (翻訳) を読みました。

数学に魅せられて、科学を見失う――物理学と「美しさ」の罠作者:ザビーネ・ホッセンフェルダーみすず書房Amazon 基礎科学の現状に対する危機感 現代物理学はかれこれ30年以上、基盤となっている部分を発展させられずにいると著者は主張しています。 LHCなどの…

「妄想する頭思考する手 想像を超えるアイデアのつくり方」 暦本純一著を読みました。

妄想する頭 思考する手 (ノンフィクション単行本)作者:暦本純一祥伝社Amazon イノベーションとはどのように生まれるのかそれが知りたくて読みました。 著者は"何か新しいことを考えなければいけない","どうすれば新しいアイデアが思い浮かぶのだろうか"とい…

2021年年末から2022年年始の読書

年末年始の読書まとめ せっかくまとまった時間があるのでバランスを考え、技術書、エッセイ、ノンフィクション、小説からまんべんなく選んで読み進めました。 技術書 コンピュータビジョン最前線 Winter 2021作者:井尻善久,牛久祥孝,片岡裕雄,藤吉弘亘共立出…

「新型コロナ 7つの謎 最新免疫学からわかった病原体の正体」と「新型コロナワクチン本当の「真実」」 宮坂 昌之 著

新型コロナ 7つの謎 最新免疫学からわかった病原体の正体 (ブルーバックス)作者:宮坂昌之講談社Amazon 新型コロナに関してきちんとした知識をわかりやすく解説するを読みたいならこの本がおすすめです。 新型コロナが流行してからずいぶん経ちますがマスコ…