- 作者: 渡邊恵太
- 出版社/メーカー: ビー・エヌ・エヌ新社
- 発売日: 2015/02/18
- メディア: Kindle版
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何を指導原理として考えるべきかを示してくれる良書です。
使いやすいとかわかりやすいインターフェースが良いと思いこまれていますが、それだけではUIのデザインとしては表面的であると述べています。
かつての日本の携帯メーカーが物理ボタンにこだわりタッチパネルの導入が遅れたりしたことがありましたが、アップルのデザインは単にそれだけではなくもっと深くよく考えられていると解説されています。
自己帰属感や運動主体感という自己感があればそれは道具の透明化がなされたといい、透明化される対象は道具から機械、コンピュータそしてインターネットへと進んできています。
今後情報そのものを透明化するという方向に進化していきます。
透明化とか融けるとはなに?と思いましたが、本書を読んでその意味が解りました。
例えば手は意識しなくても指が自由自在に動きます。鉛筆を持てばその先端は自由自在に動き、しかもまるで自分の体の一部のような感覚になります。これを透明化と言うようです。
今後のインターフェースのデザインはこの透明化を意識しなくていけないし、これを指導原理にすればUIをどうすればいいかで途方に暮れることもなさそうです。
著者が影響を受けたという、深澤直人氏の著書も本書と同時に読むとさらに理解が深まります。