新型コロナに関してきちんとした知識をわかりやすく解説するを読みたいならこの本がおすすめです。
新型コロナが流行してからずいぶん経ちますがマスコミやインターネットで書かれていることが科学的に正しくなかったり、生データをただ垂れ流してそれを非常にいい加減な方法で解釈して結論付けたりしている記事が多くて辟易としていました。
この本は、免疫学者が人の免疫が働くメカニズムを丁寧に原理から解説しています。
ニュースでよく耳にする「中和抗体」っていったい何かが分かります。
タイトルには”新型コロナ”とありますが、コロナに限定せずそもそも外部から侵入したウイルスに対して人の免疫システムはどのようにこれを排除するかを自然免疫と獲得免疫のそれぞれの役割や2つの免疫システムの関連を詳細にわかりやすく説明しています。
ニュースでたまに聞く中和抗体ってどういうものでどのような仕組みで生成されるのかが、リンパ球であるヘルパーT細胞やB細胞から中和抗体への流れがわかります。
自然免疫も侮れないと、目からうろこでした。
さらに、自然免疫の働きや重要性には驚きましたし、自然免疫も訓練されワクチンにはこれを増強するためのアジュバントという物質が添加されていることも知りました。
免疫システムの全体像がわかります。
またそういう免疫システムを活性化するためのインターフェロンやインターロイキンがいつどのタイミングでどの細胞から出されそれによって免疫の何が活性化されるかが書いてありました。
本書が書かれたときにはまだmRNAワクチンが普及していなかったので、一般的な様々な種類のコロナワクチンとして可能性のあるものが列挙されています。
ウイルスにつていワクチンについてわかっていることわかっていないこと、がわかります。
人類はまだコロナウイルスにつて十分な知識を得ているわけではありませんし、まして人の免疫システムについても分からないことが沢山あります。
本書は何がわかって何がわかっていないのか、それを免疫学者としてエビデンスを示しながら素人にも分かるようにかみ砕いて解説してくれるありがたい本でした。
宮坂 昌之さんの「新型コロナワクチン本当の「真実」」も読みました。
こちらの本は、さらにワクチンにフォーカスを当てて詳細解説やコロナに関しての混乱する情報に対して名指して間違えや注意喚起をしてくれている本です。コロナに関して2冊目に読むならこの本を勧めします。
もっと読みたくなりました。
コロナを知るつもりが、人間の免疫システムの巧妙さや柔軟さそして複雑さに魅了されてしまいました。
次は免疫だけに焦点をあてた本を読みたくなりました。