しんさんのブログ

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「はじめて学ぶビデオゲームの心理学 脳のはたらきとユーザー体験(UX)」 セリア・ホデント著を読みました

著者はゲーム業界で働く心理学者でフォートナイトのUXにも関わったそうです。
ゲームが果たして人にいい影響を与えるのか悪い影響を与えるのか?
あたりまえのことですが、それは一律には言えず、ゲームの内容やプレイする人の年齢や属性など様々な要因が関わっています。
にもかかわらず、詳細なデータや研究もないのにゲームは○○だという決めつけが多くあり先入観や直感でこれほど評価されてしまう業界も少ないのではないかと思います。
著者はそのような現状に対して、現状では何がどこまで言えて何がまだ研究中で結論が出ていないかを冷静に述べています。
ゲームが脳に及ぼす影響やゲームのプレイが有益か有害かという興味深い話を学術的に正確に参考文献もきちんと示しながら記述しており好感が持てます。
このような本が普及し、ゲーム開発者やゲームに関わる全ての人がUXとはどうあるのが良いのか、どういうUXが良くないかを理解して新たなゲームを作っていくことが今後望まれると思います。
とはいえ、それほど難しい内容でもなく平易な言葉で書かれていますので気楽に手にとって読むことをお勧めします。