現代思想 2015年12月号 特集=人工知能 -ポスト・シンギュラリティ-
- 作者: 新井紀子,小島寛之,石黒浩,茂木健一郎,竹内薫,西垣通,池上高志,三宅陽一郎,山本貴光,ドミニク・チェン,西川アサキ,藤原辰史,磯崎新
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2015/11/27
- メディア: ムック
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現代思想12月号び
人工知能特集をお正月休みに読みました。
NIIの新井先生と小島先生の「東ロボくんから見えてきた、社会と人類の未来」という対談が面白かったです。
ちなみに東ロボくんというのは
人工知能を使って東大入試が突破できるかというNIIのプロジェクトで、新井先生がリーダーになって数年前から実施されています。時々偏差値いくつを取ったというような報道で話題になることもあり、研究者だけでなく一般の人も知っている人が結構いると思います。
対談ではこの東ロボくんを題材にして、
人工知能とはどういう物かそれがもっと発達すると社会に何が起きるかについて結構熱く語り合っています。
お二人のスタンスが違っていて、新井先生は
人工知能に対して警鐘を鳴らす立場で小島先生はどちらかというと楽観的であるように思えました。
お二人が自分の立場から一歩も譲らずに論を戦わせているのは読んでいてひやひやもしましたが、
人工知能というものが今こういう立場にあるのだなということを客観的にわからせてもくれました。
2人の論争の中で、
人工知能が社会や経済にどういう
インパクトを与えるか、という議論がありました。
今の失われた20年で疲弊し将来に対しても悲観的な論調が多い日本にる研究者と、景気が回復して今は将来に不安が少ないアメリカの研究者では
人工知能に対する考え方も違うんじゃないかな、などど考えました。
人間の職業を奪ってしまうととるか、
人工知能が人間の労働の肩代わりをして生産性をあげてくれると取るのか、
人工知能の将来とは別に今おかれている社会によってその評価が変わってしまうように思えました。
この対談については、小島先生が自身のブログに書いておられます。
d.hatena.ne.jp
この対談の他にも、
人工知能に関する興味深い記事が多く読み応えのある内容でした。