「クオリアと人工意識」茂木健一郎著を読みました

この本はおそらく茂木さんの「脳とクオリア」以来のクオリアや意識に対する本格的な著作になるのではないかと思います。
新書の形式ですが350ページを超えていますし、内容も意識や知能、自由意志の問題などそもそも難しいテーマを扱っていますのですらすらと読むような本ではないです。
それでも、テーマを細かく区切って数ページでそのテーマについて書き下すような進め方なので、気になったところを何度も読み返しやすくなっています。
意識とは何かと言う問題については、ずっと興味がありましたがその答えにたどり着く糸口さえ分かからないままでしたが、本書からごくわずかながら考える手がかりをもらえたような気がします。
ベルクソンの論じた「純粋記憶」そして意識とは現在のディープラーニングに代表される統計的機械学習とは異質のものであり、時間の流れの中でただ一度だけの体験をクオリアとして記憶にとどめて置ける装置のようなものではないかと感じました。もちろんそいう考えが現状では科学たりえないことがポパーの科学論をひいてきちんと議論されています。
一番衝撃だったのは、エピローグの内容です。今まで読んできたことは何だったのかとすべてをひっくり返されたような気持になるとともに、著者の言いたかったことが鮮明に浮かび上がったようにも感じましたが、正直私にはまだきちんと理解できていません。
人工知能機械学習を研究・開発する方には一読することをお勧めします。